腎臓のすぐ上に位置する、副腎皮質から分泌されるホルモンの一種。副腎は6グラムほどの小さな臓器で、皮質と髄質に分かれており、皮質からは糖質コルチコイドと電解質コルチコイドの2種類のホルモン、髄質からはアドレナリンというホルモンが分泌される。コルチゾールは糖質コルチコイドの主要なホルモンで、下垂体からの副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)によって、分泌が刺激される。細胞での糖の合成を促進して、血糖値を上げるとともに、免疫系を抑制して炎症を抑える作用がある。この作用を期待した抗炎症薬として、コルチゾールや作用の長い合成ステロイド剤が、自己免疫疾患、慢性腎疾患、アレルギー性の皮膚疾患などの治療に幅広く用いられている。ただし、長期間の使用により、糖尿病、骨粗しょう症、精神変調、高血圧、浮腫(むくみ)、免疫機能の低下などの副作用を生じる。