終末期にある患者に過度な延命措置を避け、平穏で安らかな死を迎えられるように対応すること。従来、このような対応に対しては、安楽死や尊厳死といった用語が使われていた。そして、終末期にある患者における、死への恐怖、受容の困難性に対する過度な意識を前提として、延命措置の拒否や緩和医療への志向性が強調されてきた。その点、平穏死という概念は、終末期における延命措置の拒否や緩和医療への希求というよりは、より広義に、葬式や相続など社会的な対応も事前に決定しておき、自己の死へ至る過程と、その後の対応について心配することなく、死を迎えられることを強調している。日本人医師の石飛幸三や長尾和宏らが著書で提唱し、2012年ごろから一般に知られるようになった。