iPS細胞や幹細胞を使った再生医療について、健康リスクを回避するため、国による承認を課すなどの規制を目指す法律。日本には臨床研究についての規制はあるが、臨床応用に関しては規制がなされていない状況にある。そのため、治療効果が不明な医療技術が一人歩きを始め、一部の民間医療機関で死亡事故やトラブルが起こり、日本再生医療学会も法整備を求めていた。2013年1月、厚生労働省の専門委員会が公表した「再生医療・細胞治療の安全性の確保等に関する法案」によれば、人体へのリスクに応じて医療技術を3分類する。第1種(高リスク)はiPS細胞による臨床研究などで、実施には第三者をまじえての審議と厚生労働大臣の承認が必要、第2種(中リスク)は骨髄などの幹細胞を使う治療などで、実施には第三者をまじえての審議と国への届け出が必要、第3種(低リスク)はがん免疫療法などで、医療機関内での審議と国への届け出が必要、としている。再生医療には国家的な支援、期待感が高まっている半面、日本では安全性や倫理問題について、具体的な議論が十分なされているとはいえない。