体外受精の際、女性側から卵子が採取できない場合に、卵子を提供してくれる第三者をあっせんしてもらうこと。日本には生殖補助技術に関する法規制はないが、日本産科婦人科学会の会告により、体外受精のための第三者からの精子・卵子提供は禁止されている。そこで効力がおよばない海外へ赴き、卵子提供を受けるケースもある。2013年1月、国内で卵子の無償提供者を募り、不妊に苦しむ女性にあっせんし、支援することを目的とした民間団体「卵子提供登録支援団体(OD-NET)」が設立された。支援対象となるのは、早発閉経とターナー症候群の患者で、医師に卵子がないと診断された40歳未満の女性としている。提供者が現れた場合は、弁護士や看護師で構成するマッチング委員会が提供先を決定し、国内の不妊治療施設で体外受精を行う。しかし、生殖補助技術に関する法整備が進まない中で、提供者や生まれてくる子への対応などを危惧する声もある。さらに、今回のように既成事実が先行することに対し、医療技術の社会的コントロールのもろさも指摘されている。