人為的に技術を利用して、親が望む特徴を持たせて生まれた子どものこと。以前はデザイネイテッド・ベイビー(Designated Baby)といわれたこともあったが、現在は一般的にイメージしやすい「デザイナー・ベイビー」という呼称が使われている。1970年代以降、目的の遺伝子を受精卵に入れる遺伝子組み換え技術、体外受精などの生殖補助技術が発展。また出生前診断は胎児の検査対象疾患を多様化し、受精卵、初期胚段階で望む遺伝子を持った受精卵の選別を可能とした。これらの医療技術が、親が望む特徴を持つ子どもを計画的に出産するうえで利用されてきた。特に、ヒトゲノム計画によって人間の遺伝子解析がDNAの塩基配列レベルで可能となり、病気のリスク、また目の色や体質の特徴が分かるようになってきた。そのような解析技術の手法の一つが、アメリカのベンチャー企業23アンド・ミー(本社・カリフォルニア州)により開発され、2013年9月にはアメリカ特許商標庁によって特許が認められた。子どもの「出自を知る権利」、「遺伝子操作されない権利」の侵害などの倫理問題や、望む遺伝子が予定通りの発現をするかなどの技術的問題もあり、慎重な対応が望まれている。