重症の心不全などを患っている子どもが、心臓移植を受けることができるまでの間装着し、心臓機能を補助する機器のこと。2015年6月、厚生労働省がドイツのベルリンハート社製の小児用補助人工心臓(商品名「EXCOR」)の国内販売を承認した。欧米では1990年代から使用されており、現在までに1000例以上の使用実績がある。一方で、こうした補助人工心臓には血液を循環させるポンプ部分にできた血栓が脳に運ばれて脳梗塞(こうそく)を併発させたり、感染症を招くリスクもある。日本でも25年前に開発されたものの、その後は生産停止となっていた。しかし、2009年の臓器移植法改正で15歳未満の脳死判定が可能となり、子どもにも心臓移植の機会が開かれたことで、その可能性を広げる小児用補助人工心臓の承認が求められていた。