エンベロープ(たんぱく質の皮膜)を持つRNAウイルス(ribonucleic acid virus)で、トガウイルス科に属する麻疹ウイルスにより発症する感染症。最も多く見られるのは、冬の終わりから春の初めにかけてである。空気感染や飛沫感染など、気道を経て感染する。発熱、リンパ節腫脹など、かぜに似た症状から始まる。妊娠初期に感染が起こると、約60%に先天性の異常(胎児死亡、難聴、中枢神経系異常、白内障、新生児紫斑病、心臓の異常など)が起こる。効果的な抗風疹ウイルス薬はまだないが、ワクチンに関しては、有効なワクチンが存在する。とくに麻疹と一緒に生後1~2歳までに、混合生ワクチン(MRワクチン)が接種されている。抗体が陰性の女性には、風疹ワクチンを推奨する必要がある。