蚊が媒介するウイルスによる熱性疾患。感染者の約80%は無症状、あるいは数日~1週間後に軽度のインフルエンザ様の発熱・頭痛・筋肉痛などの全身症状をきたし、回復する。発症者の約3%が脳炎を併発し、時には死に至るので恐れられている。脳炎時は、高熱、筋力低下、意識障害などの症状が出るので緊急入院が必要である。初めに発見されたアフリカから、近年、ヨーロッパ、中東、ロシア、アメリカ本土へと広がり、日本への上陸が恐れられている。このウイルスはRNA (ribonucleic acid)ウイルスで、日本脳炎ウイルスの仲間のフラビウイルスに分類され、鳥の体内でウイルスが増幅し、蚊(イエカやヤブカ)が伝搬する。ヒトからヒトへの直接感染はない。予防法は、蚊よけ剤や網戸の使用によって、蚊に刺されないようにすることがもっとも重要である。特効薬やワクチンはない。