慢性疲労症候群とは、6カ月以上におよぶ持続性あるいは再発性の全身倦怠感(けんたいかん)のため、日常生活が著しく損なわれる病気である。症状としては、微熱、咽頭痛(いんとうつう)、リンパ節腫脹、筋力低下、神経症状、睡眠障害などがみられ、全身倦怠感のために月に数日は社会生活や労働に耐えられず、自宅にて休息が必要である。現在のところ、この疾患の原因は不明で、ウイルス感染によるものとは証明されていない。これまで、ボルナウイルス、EBウイルスやHHV6というヒトヘルペスウイルス、そして近年、XMRVというレトロウイルスがその原因ではないか、とも報告されたがすべて否定されてきた。原因不明なので、根本的な治療法はないが、症状が自然消失する症例もある。悪性腫瘍(しゅよう)、自己免疫疾患、感染症など、他の疾患によるものは除外され、それぞれの診断名となる。