西日本で見つかった、発熱と血小板減少を特徴とし、発症以前にダニの咬傷が認められる急性ウイルス感染症。2012~13年に愛媛、宮崎、山口の各県で発熱、食欲低下、下痢などを訴える重症患者が続いた。その後、患者からは11年に中国で集団発生した、熱性血小板減少症候群の原因であるブンヤウイルスが確認され、日本のマダニにも、同ウイルスが大きく広がっていることがわかった。ウイルスのキャリアは、イヌ、シカなどの動物で、ダニが媒介して感染が広がる。日本でも、以前から動物の間でウイルスが蔓延していたと推測される。この病気に対する、有効な薬剤(→「抗ウイルス剤」)やワクチンはない。