主に下肢の皮下深部などに、細菌が侵入して起こる化膿性腫脹性炎症。発症すると患部の腫れ、浮腫、疼痛、発熱を訴える。皮膚には熱感があり、発赤して浮腫状となり、オレンジの皮に似た外観を呈することが多い。起因菌の多くは、黄色ブドウ球菌あるいは連鎖球菌である。発熱や悪寒などはあるが、健康状態が冒されているようには見えない。初めに疼痛があり、急速に拡大する紅斑や浮腫などがまず見いだされるが、放置すると壊死(えし)に進む危険もあるので、医療機関への受診が必要。抗生物質の投与により回復する。人獣による咬傷(こうしょう)からの発症では、起因菌が前述のものではなく口内細菌の場合があるので、受診時に医師に伝えるべきである。四肢の蜂窩織炎の場合は、患肢の挙上によって浮腫の軽減が期待できる。糖尿病患者では回復の遅延、そして慢性化することが多く、注意が必要である。時期を失せずに治療すれば、予後は非常によい。