実験区域と外界が、空気を含め完全に遮断された施設。主に危険病原体を取り扱うための施設で、入域者は宇宙服のような完全密閉スーツを装着。実験区域内にあったものは完全な滅菌操作が施されたのち、区域外に出される。この施設内で取り扱うべき病原体には、自然界では根絶されたがバイオテロに用いられることが懸念される天然痘ウイルス、自然界で動物に無症候性持続感染しているエボラウイルス、マールブルグウイルス、クリミア・コンゴ出血熱ウイルス、ラッサ熱ウイルス、南米出血熱ウイルス、ニパウイルス、ヘンドラウイルスが含まれる。世界19カ国で40以上の施設が整備・稼働されているが、日本では稼働中のものは皆無である。そのため、BSL-4病原体による感染症が発生した際の診断、その病原体による感染症の基礎研究、および診断法やワクチン・治療薬開発等の応用研究の能力が、日本は欧米に比べて大幅に劣るといわれている。