ネズミが保有するスピロヘータ科のボレリアという細菌が、野生のダニやシラミによって媒介されて起こる感染症。主にアメリカ大陸、アフリカ、中東での患者の発生が知られていたが、最近、ダニが媒介する回帰熱が日本でも散発的に発生するようになった。症状は病名の通り、反復性の発熱、頭痛、筋肉痛を伴う。未治療患者では症状が進行し、肝炎、心筋炎、心不全などで死亡する。発症時には血中にボレリア菌が検出されるが、無症候期には菌は血中から消えている。診断は、発熱期の血中にこの細菌が検出され確定する。治療は、テトラサイクリンなどの抗生物質が有効である。森林に立ち入る際はダニによる咬傷(こうしょう)を避けるため、長ズボンなどによる足の保護が重要であり、体に付着したダニはなるべく素早く取り除くように注意を払うべきである。