植物を育てたり庭園を散策したりすることにより、心身の健康を回復・維持することを求めた療法。歴史的には、第二次大戦後のアメリカで心身ともに傷ついた兵士たちが園芸を通じて、精神的、肉体的、社会的に損なわれたものを復活していった経験に基づき、その効用が注目されるようになった。園芸を行うことによる身体的なリハビリ効果はもとより、気分の安定、意欲の向上、計画力、判断力の向上などが見られる。アニマルセラピーや音楽療法などと同じく、日本では「セラピー」という概念があいまいなことと、国民皆保険制度が存在するため、その適用がない治療法の認知が遅れている。また、都会での園芸は困難といった理由から、園芸療法の一般化には遠いのが現状である。1995年11月、日本園芸療法研究会が設立され、その活動が高まりつつある。