個人の生活習慣が関与する病気を生活習慣病と呼ぶのに対し、社会環境が影響する病気のことを指す。ただ、生活環境という言葉には複雑多岐にわたる要素が含有されているため、明確な定義はなされていない。第2次健康日本21計画では、個人ではその対処に限界のある、生活環境整備の重要性が明記され、社会システムとして生活環境病という概念が急速に広まりつつある。理解しやすいものに、アレルギー疾患がある。大気汚染やシックハウス、花粉症など、生活するうえで避けられない物質に対するアレルギー疾患が増加し、国民の生活に重大な影響を与えている。個人での予防策は限定されているため、国や自治体として取り組んでいかなければならない。受動喫煙や災害時の感染症の爆発的拡大、社会環境による健康格差、医療格差の問題など、対応すべきことは山積みである。