胆道閉鎖症などの早期発見を目的に、乳児の便色を比較するカラーチャートのこと。1994年頃、小児科医の松井陽(あきら)が考案した。その後、栃木県などで乳児健診の際にスクリーニングしたところ、早期発見、および早期の葛西手術(胆道閉鎖症に対する根治手術)により、自己肝の長期生存率が高くなった。台湾でも2004年に導入され、同様の結果が報告された。胆道閉鎖症は、生後間もなくから生後5カ月までに発症し、胆管炎の結果、肝外胆管が詰まって胆汁が腸内に流れなくなり、便色が薄くなる、尿が濃くなる、皮膚が黄色っぽくなる、などの症状が出る病気である。アジアでは発症率が高く、日本の子どもの生体肝移植の66%は、胆道閉鎖症によるものである。12年度には、母子健康手帳(→「母子健康手帳改正」)に改良版の便色カードが綴じ込まれた。生後2週目、1カ月と1~4カ月の3回、便色のチェックを行う。