おおむね10年ごとに大きな見直しが行われている母子健康手帳の、2012年4月からの改正。今回は「当事者が主体的に取り組む妊娠、出産、育児を支援する」を方針とし、主な改正点は以下のようになる。(1)妊娠、分娩の際のリスクに関する情報の追記ができるのに加えて、妊婦健康診査記載欄、妊産婦らの自由記載欄などが拡充された。(2)子どもの発達の主要な項目について、これまでの「できる」「できない」から「できるようになった時期」を書くようになった。(3)新生児期、1カ月健診時の情報を拡張し、新生児期聴覚検査の結果記載欄が追加された。胆道閉鎖症などの早期発見のため、便色カードもとじ込まれた。(4)2010年「乳幼児身体発育調査」の結果に基づき、乳幼児身体発育曲線と幼児の身長体重曲線が修正された。(5)予防接種(任意接種)の記録と予防接種スケジュール例が追加され、一連の様式となった。胎児発育曲線や、18歳までの成長曲線などが新たに追加された。(1)~(4)は、母子健康手帳には必ず記載しなければならない全国一律の内容(表紙から51ページまで)の改正であり、(5)は、自治体の任意で記載する内容の部分の改正になる。また、海外渡航者と在日外国人のため、8カ国語の併記版も改正された。