ゴムのような弾性バンドで腕や脚の基部を縛って適度な圧力を筋に加え、その部位の血流を制限した状態で行う筋力トレーニング。日本人の佐藤義昭が発明したもので、加圧トレーニングの名称は佐藤スポーツプラザの登録商標。一般には加圧筋力トレーニングともいう。極めて軽い負荷の運動でも高負荷の運動と同様の効果を得られるので、関節に過度なストレスをかけることがなく、短時間で最大効果の発揮が期待できる。加圧トレーニングの最大のメリットは、運動によって起こる効果を増幅させることができる点にある。血流を適度に制限することで、筋肉はハードなトレーニングをした時と同じような状態になるので、普段は使っていない筋線維までが広範囲に活動し、その結果、多量に発生した乳酸が脳下垂体で生成される成長ホルモンの分泌を促す。その成長ホルモンが血流によって全身に運ばれ、血流を制限した腕や脚だけでなく、全身の筋肉をつくる。この成長ホルモンの分泌を促進させる加圧トレーニングは、最近、医療現場でのリハビリにも取り入れられている。