スポーツ選手を、歯科医学的な面でサポートする専門医。スポーツ歯科医ともいう。日本体育協会と日本歯科医師会が、2013年に認定制度を発足した。選手の歯の健康管理、スポーツ障害の診断と治療、外傷予防のためのマウスガード処方、競技力向上のためのサポート、などを目標とする。歯科領域の外傷としては歯の欠損、顎関節の脱臼、唇の裂傷、顔や顎の打撲、入れ歯や差し歯の損傷がある。こうした外傷の予防だけでなく、脳しんとうの軽減や運動能力の向上といった効果もあるマウスガードは、近年ではボクシングなどの格闘競技だけでなく、スキーやスケートの選手も使用している。 また、野球、アーチェリー、ウエートリフティングなどのスポーツでは、歯のかみ合わせが重要になる。陸上短距離走のシェリーアン・フレーザープライスやカール・ルイスも、かみ合わせの向上のために矯正治療を行っていた。日本ではソウル・オリンピック以降、内科と整形外科に加えて、歯科の検診が選手に義務づけられている。また、国立スポーツ科学センター(JISS)内にも、歯科診療部門がある。