俊敏性、機敏性、巧緻性を高めるトレーニングのこと。従来は動きの変化の速さを身につける機敏性の向上が主体だったが、近年、SAQ(speed・agility・quickness)トレーニングという理論が提唱され、クイックネスやスピードなどの細分化がなされるようになった。スピードは直線的な最高速度、クイックネスは初めの数歩の動きで、無駄なく加速動作を行う能力のことをいう。トレーニングにはストレッチ系、ウエート系、アジリティー系の三つがあり、それぞれを総合的に行うことで高いパフォーマンスを得る。こうした考え方を、日本でトレーニングに導入して成功したのが、1972年のミュンヘン・オリンピック男子バレーボールチームである。最近ではプロ野球やJリーグなどで、アジリティートレーニングを採り入れている。具体的には、両腕を頭上に完全に伸ばした状態でうつぶせになり、合図ですばやく立ち上がって9メートルダッシュをするライイング・スピード・ドリル、両足をそろえて立ち、数回連続して前方にジャンプするバウンディング、垂直とびを連続10回行うバーティカルジャンプなどを行う。