体力が中等度の人の食欲不振、悪心、嘔吐(おうと)、軟便・下痢などの消化器症状に用いる処方。みぞおちのつかえ、腹がゴロゴロ鳴るなどの徴候を伴うことも多い。口内炎、慢性胃炎、二日酔いなどに応用される。半夏(はんげ)、黄ゴン(おうごん)、乾姜(かんきょう)、甘草(かんぞう)、大棗(たいそう)、朝鮮人参(ちょうせんにんじん)、黄連(おうれん)が含まれている。胃腸を温めて下痢を改善させる乾姜が配合されている一方、熱を冷ます作用のある黄連、黄ゴンによって口内炎などの炎症を同時に改善させる工夫がされている。げっぷが多い場合には生姜(しょうきょう)を加え、下痢が激しい場合は甘草を増やしたりもする。間質性肺炎や肝機能障害、また、甘草の含量が比較的多いため甘草による副作用などに注意して経過を観察する必要がある。