気管支ぜんそくは、肺にある気管支の内側がアレルギー性の炎症で狭くなり、ゼーゼーヒューヒューといった喘鳴(ぜんめい)やせきが出て、発作性に呼吸が苦しくなる病気である。比較的軽症の場合は漢方治療が適用でき、気管支拡張剤などの西洋医薬と併用する場合も多い。また、増悪因子として大気汚染、呼吸器感染症、喫煙などの他に、気象、ストレス、月経、妊娠、肥満、飲酒、過労などが挙げられているため、漢方治療で心身のバランスを整え、症状の悪化を防ぐこともある。せきの発作が主症状の人には、エフェドリンを主成分とする麻黄(まおう)を含む、麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)や五虎湯(ごことう)などを用いる。呼吸困難を生じた人には、紫蘇葉(そよう)や半夏(はんげ)などを含む半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)や神秘湯(しんぴとう)などが使用される。症状が安定している時には、柴胡(さいこ)を含む柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)、朝鮮人参(ちょうせんにんじん)や黄耆(おうぎ)を含む補中益気湯(ほちゅうえっきとう)、桂枝(けいし)や生姜(しょうきょう)などを含む小建中湯(しょうけんちゅうとう)などで体質改善をはかる。さらに漢方医学では、肺と大腸を表裏の関係と考えるため、便通をよくすることも大切であるとされる。