胃腸虚弱な人の風邪の初期に用いる桂枝湯(けいしとう)に、鎮静効果のある生薬の竜骨(りゅうこつ)と牡蛎(ぼれい)が追加された処方である。牡蛎はイタボガキ科のカキの貝殻であり、鎮静効果のほか、収れん作用や制酸作用が認められている。桂枝加竜骨牡蛎湯は、桂枝湯証の体力が低下した人で、物音に敏感であったり動悸(どうき)を感じやすいなど、神経が過敏な状態になっている場合に用いられる。疲労倦怠感(けんたいかん)、動悸、冷えのぼせ、いやな夢を見るなど眠りが浅い時に有効である。不眠症、円形脱毛症、自律神経失調症、陰萎(いんい ; 勃起不全)、夜尿症などの治療に応用される。