原子力発電所のように膨大な危険物を内包した装置に向き合うための基本的な考え方。多重防護ともいう。(1)故障を起こさせない、(2)起きた場合には拡大を防止する、(3)事故に発展した場合の影響緩和策を準備しておく、の三段階からなる。地震対策を講じたり、故障率の少ない機器を使用したりするのは(1)のため、故障した場合に備えてECCS(非常用炉心冷却装置→「冷却材喪失事故」)などの防護系を多重配備するのは(2)のため、さらに原子炉立地審査指針にのっとって人口密集地から離すなどの対策を施すのは主として(3)のためである。それらを担保するために、安全審査、定期検査などを行う。従来、定期検査は13カ月を超えない期間ごとに実施することが義務付けられていたが、経済性を求めて稼働率を上げる要求があり、2009年1月の省令で、定期検査間隔を18カ月、さらには丸2年に延長できるようになった。深層防護が破られた場合には、防災計画が発動される。