2010年、マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏が開発に乗り出すと発言して一躍話題になった原子炉。細長い原子炉の一方の端で臨界状態を起こし、発生した中性子によって隣接した領域で核分裂性物質を生み出しながら、一方の端まで順次燃やして行こうとする構想。一種の高速増殖炉(FBR)で、冷却材に水を使えないという本質的な困難を持つ。古くから日本の東芝が4S(super safe, small and simple)として、出力5万kW程度のごく小型の炉として開発してきたが、いまだに1基の実績もない。TWRは出力100万kW級として構想されていて、困難はさらに大きいし、一度燃料を装荷したら100年運転し続けられると宣伝されているが、それを支える材料はない。