ソユーズと並ぶ、ロシアの主力ロケット。地球低軌道に、20トンのペイロード(荷物)を打ち上げる能力を持つ。旧ソ連の宇宙ステーションサリュートシリーズ、ミール、各種惑星探査機の打ち上げなどに使用された。現在はロシアのクルニチェフ社が製造しており、アメリカのロッキード・マーチン社との合弁で、衛星打ち上げ事業にも使用している。しかし近年は打ち上げ失敗が重なり、信頼性が低下していると評価されている。2013年7月には、ロシアの測位衛星「グロナスM」3機を搭載したプロトンが打ち上げ直後に姿勢を崩して墜落・炎上。その後も14年5月には通信衛星「エクスプレスAM4R」の打ち上げが、15年5月には通信衛星「メックスサット」の打ち上げが、それぞれ第3段の故障で失敗した。後継ロケットの「アンガラ」が試験打ち上げに成功したことを受けて、ロシアは20年代半ばにプロトンを引退させることを検討している。