2001年の省庁統合以前は、内閣総理大臣の諮問機関として総理府・宇宙開発委員会が機能しており、同委員会の事務局を実質的に科学技術庁が仕切るという体制だった。この宇宙開発委員会は、5年ごとの中期計画である「宇宙開発政策大綱」と、年度ごとの「宇宙計画」を審議していた。すなわち、総理大臣の職務の一環として宇宙開発があり、行政側は実質的に科技庁が全官庁を統率していたわけである。ところが、01年の省庁統合の結果、宇宙開発委員会が文部科学省の傘下となり、文部科学省の宇宙計画を審議する組織に格下げとなった。この結果、10年以上にわたって、日本全体の宇宙計画を審議する組織が実質的に不在になっていたのである。そこで、08年8月施行の宇宙基本法に基づき、12年7月、日本の宇宙開発体制は内閣府を中心とする形に大幅に刷新された。(→「日本の宇宙開発体制(2012年7月以降)」)