アメリカのオービタルATK(旧オービタル・サイエンス)が、国際宇宙ステーション(ISS)に物資を運ぶ輸送船「シグナス」を打ち上げるために開発したロケット。旧名「トーラス2」を2011年に「アンタレス」へと改称した。ロケットの第1段は、旧ソ連が1960年代に有人月探査のために開発した「NK-33」エンジンをベースに、アメリカのエアロジェット社が小改修した「AJ-26-62」エンジンを2基使用する液体ロケット。第2段は、アメリカATK社の固体モーター「キャスター30」を使用する固体ロケットである。シグナスの打ち上げは2段式で行うが、一般の衛星打ち上げや、惑星間空間への探査機打ち上げのための3段式、4段式の構成も検討されている。2013年4月に最初の試験打ち上げを実施した。14年10月、シグナスを搭載した3回目の打ち上げでは、打ち上げ後15秒で爆発する事故を起こした。オービタルATKは、第1段のエンジンをNK-33から、ロシア製のRD-181に変更し、16年10月17日に復帰打ち上げを成功させた。