H3ロケットのために、JAXA(宇宙航空研究開発機構)と三菱重工業が開発を検討していた、第2段用ロケットエンジン。H-2A、H-2B用第2段エンジン「LE-5B」(推力14トン)と同じく、エンジン燃焼室壁面から得た熱エネルギーでターボポンプを駆動するエキスパンダー・ブリード・サイクルを採用する。推力はLE-5Bよりやや大きい16トン。1999年から2005年にかけて、三菱重工はアメリカのプラット・アンド・ホイットニー社と共同で、推力27トンの2段用エンジン「MB-XX」の開発を実施した経験があり、その時に得たノウハウに基づいてLE-11を開発するとしていた。しかし、H3ロケットの概念検討において「LE-9とLE-11の2種類のエンジンを同時に開発するのはリスクが高い」とされ、開発に入ることなく検討を終了した。