アメリカのスペースX社が開発した、ロケットエンジンを使用する垂直離着陸実験機。スペースXは同社のロケット「ファルコン9」(→「ファルコンロケット」)の第1段を回収、再利用する構想を持っており、そのための技術を取得するためにグラスホッパーを開発した。ファルコン9の第1段に4本の固定式の着陸脚を装備しており、ロケット噴射で飛び上がり、上空で水平に移動した後、噴射により地上に帰還する。2012年9月21日に高度2.5メートル、飛行時間3秒の初飛行に成功。その後、飛行高度と時間を延ばし、13年10月7日に8回目の飛行で、高度744メートル、飛行時間1分20秒を達成し、飛行試験を完了した。
スペースXは14年3月のファルコン9打ち上げから、折りたたみ式の着陸脚を装備した第1段を使用する。分離後の第1段で高高度における姿勢制御とロケット噴射を使った海面への降下・着水の試験を行う。最終的には打ち上げ地点まで第1段を戻して陸上に着地させ、再利用する予定。