イタリアのヘリコプター・メーカー、アグスタウエストランドが開発している民間向けのティルトローター機。元々は、同社の前身であるアグスタと、アメリカのベルの共同プロジェクトで、「BA609」と呼ばれていた。ベルが開発・製造に参画したV-22オスプレイに使われているティルトローター機技術をベースに、9人乗りで高高度飛行を可能にする機内与圧システムを備えるなど、快適性を高めて民間需要に適合するようにした。初号機は2003年7月に初飛行し試験飛行に入ったが、09年9月にベルが計画から脱退し、以後はアグスタウエストランドの単独プログラムになっている。型式証明取得のための飛行試験作業にも大幅な遅れが出ており、14年に3号機を飛行させて作業を加速する計画だったが、15年10月30日に試作2号機が高速飛行試験中に墜落して失われたことで、16年1月現在スケジュールの大幅な見直しが行われている。機体価格は、約2400万ドル。