集積回路1チップ上に論理回路とメモリーを集積し、同じハードウエアによりソフトウエアで種々の演算を制御するもの。マイクロプロセッサー(MPU)、マイクロコントローラーともいう。1970年にインテルから発売された4ビットの「Intel 4004」が最初と考えられている。これは当時ビジコン社の嶋正利氏が発案し、インテルのフェデリコ・ファジン、スタンレー・メイザー、マーシャン・E・ホフ・ジュニアと共に実現した。彼らは97年の京都賞(科学技術、文化に貢献した人たちに与えられる国際賞で、財団法人稲盛財団によって運営されている)を受賞した。4004はその後、インテルで後継チップの開発が続けられ、8ビットの8600シリーズから最近の64ビットCoreシリーズへと発展を遂げ、コンピューター分野の応用をほぼ独占して、インテルを世界一の半導体メーカーへと押し上げる原動力となった。嶋氏は最初日本のメーカーに共同開発を打診したが、すべて断られ、仕方なく当時新興のインテルと組んだと言われている。
現在では、「制御用マイコン」「マイクロコントローラー」と呼ばれる8ビットから32ビットのマイコンが、ほぼすべての電子・電気製品のみならず、自動車、飛行機などを始め制御を必要とするほぼすべての製品に使用されている。これらはルネサス、富士通を始めとする日本のメーカーも大きなシェアを得ているが、価格がコンピューター用に比較すると100分の1程度と安い。