超微細なトンネル接合系で電子が出入りする際、その微小電極の静電エネルギーが変化することによってトンネル過程が抑制される現象。たとえば電子1個がトンネルすることにより、電子が移った側の静電エネルギーは、e2/2C(eは素電荷、Cはトンネル接合の静電容量)だけ上昇し、電子を供給する側のフェルミレベルがe2/2Cだけ上昇するまでトンネルすることができないため、微小トンネル接合の電流電圧特性にはクーロンギャップ(Coulomb gap)とよばれる階段状のステップが現れる。この現象は単電子が移動することに起因しているため、電流標準を与える素子として注目されている。またこの現象をゲート電圧で制御する単電子トランジスタが、CMOSの限界を超えるビヨンドCMOSデバイスとして注目されている。