カルコゲナイドスピネル(chalcogenide spinel)と呼ばれる物質群や磁性を示す不純物を導入した半導体材料で、磁気的性質を示しながら同時に半導体的電気伝導度を示すものをいう。これらの化合物には強磁性をはじめ、フェリ磁性、反強磁性、メタ磁性など多岐にわたる磁性現象がみられる。酸化物がイオン結晶の性質をもつのに対し、この化合物は共有結合性に富み、半導体特性を示すので磁性半導体という。典型的な例としてカドミウム・セレン化クロムや水銀・セレン化クロムなどのカルコゲナイドスピネルに加え、ユーロピウム化合物がある。特に強磁性を示す半導体は強磁性半導体と呼ばれ、スピンエレクトロニクス分野における次世代デバイス材料として注目されている。