量子ドットは量子箱とも言う。物質の寸法を小さくすると量子サイズ効果によって、量子的な特性が発現するが、この時の微小構造を量子ドットとよぶ。たとえば半導体や金属の微粒子を直径2nm(ナノメートル)程度にすると、可視光を発光できるようになる。また、単電子トランジスタのドット部分に用いると、室温でも動作させることが可能になるなど、応用面でのインパクトは非常に大きい。たとえばすでに富士通は量子ドットレーザーを試作し、動作を実証している。最大の技術課題は量子ドットの寸法制御で、ほんの0.1nmと原子の寸法よりも小さい寸法差でも特性にばらつきが生ずることである。有機分子などを用いると、完全に寸法が制御された量子ドットを実現できる可能性がある。