シリコンウエハーは、1968年ごろに直径1.5インチ(約40mm)のものが主に使用されていたが、ほぼ5年で一回りずつ大型化され、95年には200mmになり、その後、2005年に直径300mmのウエハーが主流になった。このように定常的に大口径化されてきた理由は、ほぼ同一のプロセスで、シリコンウエハーの面積に比例したチップ数を取得できるため、チップ当たり価格を大幅に低下できるからである。たとえば、直径200mmから300mmにすれば、チップ取得数は2.25倍になり、原理的には価格は2.25分の1になる。しかし、それに伴って製造装置も大型化する必要があるため、装置を並べるクリーンルームも大型化する必要があり、大口径化が進むにつれて大幅なコスト上昇要因となるため、300mm以降はなかなか進んでいない。現在、ITRS(International Technology Roadmap for Semiconductors)では次世代は直径450mmにすることになっている。11年になって台湾を本拠とする世界最大の半導体ファウンドリー(製造専業メーカー)であるTSMC(Taiwan Semiconductor Manufacturing Company)が、15年ごろに450mmウエハー工場を立ち上げる計画を明らかにした。他にインテル、サムスン等が導入を計画しているが、生産の主流になるのは20年ごろになると予測される。