シリコンウエハーの作製プロセスは、以下の工程で行われる。原料の珪石(けいせき 酸化シリコン)を還元して金属シリコン(純度約98%)にする。これを塩酸に溶かして四塩化シリコンにし、蒸留・還元して多結晶シリコン(純度約99.999999999%)を作る。これを炉で融点の1420℃まで加熱し、種結晶を用いて単結晶に引上げた後、切断・研磨してウエハーが完成する。現在世界のシリコンウエハーの70%程度を日本で製造している。
シリコンウエハーの大きさは、1960年代では直径1インチ(約2.5cm)だったものが、最新の工場で使用するものは直径300mmとなっている。この結晶中には結晶欠陥はほとんどなく、また表面の凹凸はミクロには1~2nm(ナノメートル)レベルで完全結晶とよべるものになっている。完成したウエハーはリソグラフィーやドライエッチング、イオン注入などのプロセスを経てデバイスを作り込んだ後、チップに切断、パッケージに実装され、さまざまな機能を持った集積回路などが完成する。現在では直径450mmの次世代ウエハーが開発され、これに対応するプロセス装置が開発されている。