電源を切っても情報が失われない1トランジスタ1抵抗型の不揮発性メモリーの一種。抵抗部分にナノチューブを用い、ナノチューブ同士がくっついていれば低抵抗状態、離れていれば高抵抗状態となり、その差が1桁以上あることを利用してメモリーとする。ナノチューブ同士をくっつけるためには比較的低電流を流して静電的に接続し、離すために比較的高電流を流して高温にする。書き込み・読み出し時間は20ns(ナノ秒。ナノは10億分の1)程度と、この種のメモリーにしては高速である。現在のところアメリカのNANTERO社が4Mビットのチップをサンプル出荷しており、10億回以上のスイッチングを確認しているという。現在は、まだナノチューブをウエハー(基板)上にランダムにスピン塗布しているため、デバイス寸法は140nm(ナノメートル)技術程度と大きいが、ナノチューブを配向制御できれば数十nm技術程度までスケーリング(→「スケーリング則」)できるとしている。