多数のセンサーをネットワークで結び、収集したデータを解析して目的の情報を取得するシステムの総称。アメリカで最初に軍事技術として提案され、目的に応じた数万から数百万個規模のセンサーを広範囲にばらまいて敵の動きなどを察知するシステムなどが考えられていた。日本では従来の社会インフラの信頼性を高め、安全・安心・省エネルギーな社会を実現する手段として位置付けられている。例えば、トンネル、橋、建物などに振動センサーやひずみセンサーなどを多数取り付け、異常な振動や変位を検知して崩壊を予測する、温度センサー、環境センサーなどを建物内や都市の広範囲な場所に設置して、PM2.5や地球温暖化など生活に影響するデータを収集する、建物や工場内の温度や消費電力を計測して空調や設備稼働などの最適化を行い省電力化する、といった応用が考えられている。技術的には超小型化、間欠運転などを含めた長寿命電源、高信頼通信手段、高速ネットワーク、膨大なデータの収集と解析技術などが主要課題であるが、様々な技術開発により実用に近いレベルに達しつつある。