熱機関などの回転機械による動力変換は、規模が大きくなるほど効率と経済性に優れているために、大型設備によって一カ所で集中的に生産したエネルギーを需要地に配分する方法がとられている。電力を大量かつ安価に供給できる大型の火力発電や原子力発電は、社会の電力需要の伸びが高いときに数多く導入され、社会の主要な電源として位置づけられている。しかし、エネルギー需要の伸びが長期的に低迷する傾向にある中で、今後は新規電源の増設よりは既存電源の環境・安全対策の強化と効率改善に重点を置いた技術開発が求められている。一方で、経済発展に伴うエネルギー需要の伸びが著しい中国やインドなどの開発途上国では集中型技術の導入が進んでいる。日本の優れた大型技術を開発途上国へ移転していけば、環境保全や温室効果ガスの排出抑制に貢献することになる。