太陽電池セル(photovoltaic cell)による発電システムをいう。電池に太陽光が照射されると、半導体の光電効果でプラスの電荷をもった正孔とマイナスの電荷をもった電子が発生する。発生した電子と正孔は、それぞれn型の負電極側(受光面)とp型の正電極側(裏面)に集まり、電極に負荷をかけて結ぶと電気は正電極から負電極に流れる。電池にはシリコン、あるいはガリウム/ヒ素などが使われている。一般に普及している電池はシリコン系のものがほとんどで、それには単結晶、多結晶、アモルファスがある。光エネルギーが電気に変換する割合である変換効率は、理論的には単結晶シリコンで29%といわれているが、実用化しているものは18~20%である。実際に利用するには、複数個の電池を直列につないでパッケージにしたモジュール(module)にする必要があり、結晶系シリコンの場合で、変換効率は10~15%、1m2当たりの出力は約100Wになる。環境にクリーンなエネルギーとして、電卓や時計、カメラ、照明、噴水など身近なものから家庭や公共施設の屋根、かんがい用のポンプ動力、遊休地等を利用して設置されているメガソーラーなど幅広く普及しつつある。しかし太陽光発電は、風力発電と同様に出力が天候に左右されるために設備としての価値が低く、あくまでも補助電源として利用することになる。