ブレーキをかけた際に発生するエネルギーを蓄電池やキャパシター(コンデンサー)に貯蔵し、電気として利用するエネルギーのことで、省エネルギーの推進が可能になる。こうしたエネルギー回収のしくみは回生ブレーキと呼ばれる。回生エネルギーは、電車、自動車、エレベーター、船舶など広い分野での利用、あるいは導入の検討が進んでいる。電車の場合、従来は摩擦ブレーキによって運動エネルギーを熱に変えるという“無駄”をしていたが、ブレーキをかけた際に発生する「回生電力」を蓄電池に貯蔵し、加速中の電車や駅舎の照明などに効率的に放電する有効利用が広まっている。JR東日本では、回生エネルギー装置を設置した区間で、変電所で使用する電力量が年間3%削減したとの実績がある。同社の電車の約7割で回生電力を生み出すことが可能であり、今後の普及が期待される。自動車でも、電気自動車やハイブリッド車だけでなく、ガソリンエンジン車に回生電力を活用していく技術開発が進んでいる。また、エレベーターでは、運転時に発生する回生電力を、高効率のコンバーター(整流器)によって照明など建物内の電機設備に有効に利用するだけでなく、回生電力を蓄電池にためて、停電時の運転電力に振り向ける「停電時自動運転装置」も開発されている。