鏡を使って太陽エネルギーを集めて、熱媒体あるいは蓄熱材に熱として蓄え、その熱で水蒸気を発生させて蒸気タービンを駆動し発電する方法。太陽エネルギーを集光する方法には、平面鏡を使うタワー型と放物面鏡を使う円筒放物面型がある。
タワー型は、集光区画の中央に高い塔を建て、その上に集光器を設置し、地上に設置したヘリオスタットと呼ばれる平面鏡で太陽光を反射させて集光する。ヘリオスタットの設置には広大な敷地が必要になる。円筒放物面型は、横長の放物面鏡を設置し、その焦点部分に熱媒体を挿入した集熱管を置くもので、タワー型に比べて太陽高度によって集光量が影響を受けることはあまりない。
太陽熱発電は、日差しが強く広い土地が確保できる中東やアフリカ、インドなどで有望な発電方式である。発電効率は条件が良ければ30%以上にもなり、現時点では太陽光発電よりも高い。スペインでは、発電能力20万キロワットの世界最大級のプラントが建設され、一般家庭1万世帯分の電力需要を賄っている。国際エネルギー機関の予測では、現在、世界で100万キロワット程度の太陽熱発電能力が、2020年に150倍に増える見通し。