1970年に始まった人間活動と生物圏保護の調和を図る取り組み。パリにあるMAB国際調整委員会が管轄する。世界自然遺産(→「世界遺産」)が手付かずで世界で唯一の自然の価値を守る取り組みなのに対し、利用と保全の調和を図る取り組みであり、ユネスコエコパーク( BR ; Biosphere Reserve)を世界で553カ所指定している。日本では屋久島、白山、志賀高原、大台ケ原大峰の4カ所が80年に指定された。BRには厳重に保護する核心地域の周囲に緩衝地帯、移行地域を設けることが推奨されており、この理念は日本の国立公園や森林生態系保全地域にも受け継がれている。生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)でも、持続可能な自然利用を標榜するSATOYAMAイニシアティブとの連携が推奨されている。