複数の波動関数の重ね合わせ(状態ベクトルのベクトル合成)により得られる波動関数も、新たな量子力学的状態を表すことをうたう原理。ヤングの干渉実験(Young's interference experiment)では粒子源とスクリーンの間に置かれた衝立に二つのスリット(平行な細長い穴)が設けられるが、一つの穴から広がる粒子の波動関数ともう一方の穴から広がる粒子の波動関数の和もまた新たな状態を表現する。その和は波動の干渉によってスクリーンに干渉縞を形成し、その干渉縞は粒子の存在確率を表す。光以外にも電子・中性子・原子・分子においても同様な干渉が直接観測されている。どのような物理的実体も、こうした波動と粒子の二重性(wave-particle duality)を内在する。