2011年に東京で実行された量子暗号の大規模な現場試験。QKDとは量子鍵配送(quantum key distribution)を意味し、鍵配送とは暗号を復号するために必要な秘密鍵(secret key)を安全に配送することで、暗号技術の根幹の一つである。情報通信研究機構(NICT)が音頭を取り、NTT、三菱電機、NECが機器と光ファイバーネットを運用、東芝欧州研究所、スイスのIDカンティーク社(ID Quantique)、オーストリアの産学官チームも参加した。単独研究所による量子暗号の小規模現場試験は1995年ごろからあるが、複数機関の協力体制による大規模現場試験としては、同じ時期にウィーンで始まったオーストリア産学官チームのQKD現場試験とともに初めてであり、今後の量子暗号の普及に向けて大きなはずみをつけた。