プラズモニクス構造などのユニークな特性を用いることにより、通常の光システムでは実現されなかった新しい現象が期待される。このように、人工の物質の中で、特に光学的(広くは電磁気学的)性質において、自然界に無い特性を持った材料をメタマテリアルという。たとえば、金属にさまざまなナノ構造を施すことでプラズモニクス構造の共鳴周波数近傍で屈折率を空気と同じにすることができ、金属微細構造があるにもかかわらずほとんど透明に見える構造が可能になる。さらに、物質をメタマテリアルで包むことにより、外からの光が物質を全く通過しない、すなわち外から物質が見えないようにすることも提案されている。今後、新種のレンズ、アンテナ、コーティングなどへの応用やさまざまな光学素子と組み合わせて、その特性を改善することが期待される。また、メタマテリアルを利用して色を作る試みも行われている(→「メタマテリアル・カラー」)。