チタンの酸化物(TiO2)。約10nm(ナノメートル nは10-9=10億分の1)径の酸化チタンナノ粒子を厚さ100nmから1μm(マイクロメートル μは10-6=100万分の1)にコーティングした酸化チタン薄膜は、独特の特性を持つ。(1)紫外光を吸収し、触媒として活性になる光触媒効果を持つため、吸着した油や有機物の汚れが酸化され、分解が促進する。(2)超親水性であり、(1)で分解した汚れが雨などで容易に洗い流される。これらの効果のため、防汚壁として実用化が進んでいる。窓の汚れ防止にも役立ち、新型新幹線に使用する計画もある。酸化チタンの粒径をさらに小さくすると量子サイズ効果による触媒機能の向上が見込まれ、1nm程度の粒子の作製も試みられている。粒子に不純物を入れて感応する光の波長を調節する試みもある。