導電性高分子を使い、電気化学反応を利用して体積変化を生じさせるアクチュエーターを指すことが多い。その収縮の仕方が生体の筋肉の動きを模倣していることから、人工筋肉またはソフトアクチュエーター(soft actuator)と呼ばれる。電極間に弾性力の高いエラストーマ樹脂を挟み込み、電磁場がつくるマクスウェル応力を利用して駆動力を生み出す誘電エラストーマや、カーボンナノチューブの間にイオン液体が入り込んで均一に分散した「バッキーゲル」を利用したアクチュエーターがある。これらのアクチュエーターは、指のような微細な動きを制御する場合などに有効である。一方、電気駆動ではなく、空気を利用したものも報告されている。これは、ゴム材と繊維を複合化したチューブ状の構造体に、圧縮空気を注入することで特定の方向に収縮力が発生するように設計されており、気体が駆動源であるため、スムーズな動きが実現できる。この仕組みでは、細かい調節は難しい半面、構造がシンプルで複雑な駆動装置が不要なため、軽量にできる利点がある。モーターを使わず、短時間で大きな駆動力を確保できる点から、パワーアシストやリハビリ機器などに適している。