ホウ素(boron)の原子層材料。原子層(原子膜)1枚からなる究極のナノスケール(10億分の1mスケール)薄膜材料である原子層材料の一つとして、清浄化した銀単結晶表面にホウ素を蒸着することにより実現された。理論的には、さまざまな原子配列をもつ複雑な構造の原子層構造のシートが多数存在することが示されているが、ホウ素の三次元結晶では確認されていない金属状の原子層構造が存在することが注目を集めており、実際、実験で金属的な振る舞いが確認された。電子が存在するホウ素原子が蜂の巣構造にならぶ状態もあり、この場合にはグラフェン同様にバンド(電子が存在できる状態)が直線的に交差して、バンドギャップ(band gap 電子が存在できないエネルギー領域)の幅がゼロになるユニークな状態になることも確認された。